八木沼節子さんインタビュー(後編)「主人には、家事は妻がやるべきものという概念がありません」

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前編はこちら
後編は主に個人的なお話をうかがいました。

  • 瞑想による感情のマネージメント

自分では気付かなかったのですが、仕事の後に同僚とお酒を飲んでいても、仕事の話ばかりしていたみたいで(笑)。日本に居た時の男性の同僚に面と向かって指摘されたこともあります。自分でわからないうちに仕事そのものがストレスに繋がることもあったと思います。私は正直じゃない人、逃げる感じで曖昧な言い方をする人は好きではありません。これも私が男性的な性格だからでしょうか(笑)。最近はチャクラやレイキ、そして瞑想などのセルフヒーリングに興味を持っていて、時間のある時には瞑想をして自分を癒しています。瞑想、つまり何も考えない無の状態というのが始めはすごく難しいと思ったのですが、教えに従って毎日瞑想しているうちに、怒る回数が減ってきました。仕事柄、なかなか自分の怒りをぶつけるところがありません。今は自分の怒りなどの感情をコントロールすることも大切だと思っています。他には色々なダンスも好きなので、そういった仕事とはまったく違う世界の楽しみも続けていきたいと思います。フルタイムということもあり、料理も2年前くらいまではほとんどしませんでした。実は昨年、「料理を頑張る」という年頭の目標を立てました。料理器具をほとんど持っていなかったので、まずは計量スプーン・カップから少しずつ揃えている状態です。知り合いの料理教室に参加することもあります。特に専業主婦を目指しているというわけではありません。主人も私の仕事を理解してくれているので、料理を作らないことに関しては何も言いません。でも、気持ちを入れ替えた今年は、毎日はできないのですが以前に比べると確実に料理をする機会が増えました。和食、タイ料理、インド料理にも挑戦しています。まだ人様に披露できる段階ではないので、家でこっそり食べています(笑)。

  • 私はここでは外国人。家族の理解が大きな支え

平日は仕事の後に食事を作ることがかなり難しいので、ちゃんとした食事はほとんど作れず、サラダやスープといった短時間でできるものを準備するようにしています。家事全般において、シンガポール人の主人には「妻がやるべきもの」という概念がないので、正直助かります。幸い義理の家族は、シンガポール家庭の常識とも言える「義理の家族と一緒に時間を過ごす」ということにこだわりがないので、毎週会うこともありません。ただ、家族の行事の時は、私も必ず参加するようにしていますし、私が外国人ということを家族も理解しているので、いい感じでお互い距離を保っていると思います。むしろそうしないと、お互いにストレスが募ってくるのだと思います。仕事に関しては、シンガポール人の主人ですので、妻が仕事を続けることは当然という意識があるため、夫婦間で大きな対立が起きたことはありません。シンガポールならではかもしれませんね。もし日本人の夫で、日本で生活をしていたら、今のような生活は送れないでしょうね。

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  • 若い時には気付かなかった内面的な女性らしさ

私は「専業主婦」を経験したことがなく、家庭的な女性の感覚が欠如していたため、家庭的な女性を求める男性からはモテなかったですね(笑)。自分の中では、仕事を続けてきたことで、自分自身や人生で何か欠如しているものがあると感じていました。30代の頃は仕事に前向きで野望もあったせいか、自分は家事が不得意でも、それをマイナスと考えていませんでした。当時はみんな誰でも得意・不得意があるのだから、自分は自分の得意分野で頑張っていこうという思いが強かったですね。でも年を取ると共に、内面的な 「女性らしさ」が欠如していたために、不得意分野が自分の中でクローズアップされてきて、何かが自分の人生には欠けているという感情が強くなってきました。もしかしたら、さまざまなタイプの方(特に主婦の方)との関わりがなかったからかもしれません。最近は趣味の部分で、今までチャレンジしてこなかった料理、フラワーアレンジメント、ヒーリングなどのワークショップを受講して、主婦層の知り合いも増えました。仕事以外で、ようやく視野を広げられてきたように思います。

  • 海外で生き抜くコツは違いを受け入れ理解すること

どこの国に行っても共通することだと思いますが、海外で生活するためには、まずその国の習慣、人間を理解することが必要だと思います。日本は便利ですし、生活しやすいですが、日本のものさしをこの国の人に主張したところで自分が辛くなるだけ。私たちが住んでいるのは外国ですから。自分で気持ちをコントロールしながら、習慣の違う国に慣れていくことも大切だと思います。もう1つ大切なことは海外に出たら、自ら楽しみを探すことにチャレンジする。そうすることで初めてその国の良さが見えてきて、生活が楽しくなってくると感じています。