中国の北京出身。中国語教師として働く門雪桐さん

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門雪桐( Men Xue Tong )

国籍:中国 / 年齢:31歳 / 職業:中国語教師 / 居住国:シンガポール / 活動国:シンガポール、中国 / 言語:日本語、英語、フランス語、中国語

‐こんにちは。さてご出身はどちらですか?

中国の北京です。

‐シンガポールに来られた時期と理由を教えてください。

シンガポールには2012年1月に主人の転勤で引っ越してきました。いずれはオーストラリア辺りに住みたいと思っていたこともあって本当は気が進まなかったのですが…自分自身の仕事でも良いチャンスに恵まれましたし、住み始めたら気に入って生活しています(笑)。

‐現在のお仕事について教えてください。

語学学校で中国語の教師をしていて「日本語で教える中国語」のクラスを担当しています。
中国語教師のお仕事は、6年前に日系企業に勤めていたころからパートタイムで始め、シンガポールでは生活が落ち着いた2012年5月から勤め始めました。

‐日本語を勉強しようと思ったのは何故だったのですか?

中学生の頃、近所の有名な観光地・故宮に日本から修学旅行で訪れている学生を度々見かけていて、その時に聞こえてきた日本語の響きがとても綺麗で歌のように心地よく、ぜひ勉強してみたいと思ったのがきっかけです。その時に日本語の勉強を始めたかったのですが、「外国語といえば英語」という時代でしたので、母に「勉強するなら将来的なことを考えて英語にしなさい」と反対されました。それでもどうしても日本語を勉強したくて、自ら日本語を勉強できる高校を調べて受験して進学し、高校から勉強を始めました。

‐現在習得している言語について教えてください。

話せるのは中国語と日本語で、英語とフランス語は日常会話程度にわかります。

‐さて、今までの人生を振り返ってターニングポイントはいつでしたか?

2001年に日本の大学に留学したことが私の人生の大きなターニングポイントとなりました。自分の価値観に多大な影響のある多感な時期を日本で過ごしたので、本当に多くのことを学びました。今でも私の人生観は日本で育ててもらったと感謝しています。私費留学だったので、コンビニやファストフードでアルバイトをして学費や生活費を賄う忙しい学生生活でしたが、日本人や他の国出身の留学生の友人にも恵まれ、とても楽しく過ごしながら日本語を身に着けました。今でも第二の故郷と思っていて日本に留学して本当に良かったです。

‐20代を振り返ると、どのように過ごした時期でしたか?

一言でいうと「忙しかった」です。日本の大学に留学して帰国後は日系企業に就職し、人事の仕事をしながら中国語教師・通訳・翻訳の仕事もしていましたし、週末には音楽活動や教会での活動にも参加していましたので、とにかく忙しく過ごしていました。20代は日本での留学生活、卒業、帰国、就職、結婚など人生の大きな節目が沢山ありました。

‐なるほど。日系企業に対してはどのような印象をお持ちですか?

とても働きやすいと思いました。景気も悪くなかったですし、経営方針も賛同できるもので、日本企業独特の会議や準備・連絡なども時間の無駄がないと感心していました。日本の会社は「失敗したら絶対に繰り返さない」という方針が徹底していて、失敗した経験をふまえた対策を立てて先に進むところが素晴らしいと思いました。

‐30代はどのように過ごしていきたいですか?

今がとても幸せなので、このまま現在の生活を続けていきたいです。以前から主人のインテリアデザインの仕事を手伝えるよう勉強を続けていて既に少しずつビジネスも始めているので、中国語教師の仕事を続けながら主人と一緒に自分たちのデザイン・スタジオの仕事をしたいです。最近の若者の表現で、世界中を次々に引っ越して仕事をする人達のことをHigh Moverというのですが、自分達は正にHigh Moverなので、国を限定せずチャンスがあれば色々な国でビジネスを展開していきたいです。

‐シンガポールにはどのような印象を持っていますか?

シンガポール人は…ちょっと負けず嫌いで競争意識の強い国民だと思います(笑)。

「中国は経済成長によって大きく変わりました」
mon2‐中国についてはどのように感じていますか?

中国は私の生まれ育った北京を筆頭に経済発展が著しく、生活が大きく変わりました。私が小さいころは、毎日一人で学校から家に帰ったり遊びに行ったり泳ぎに行ったりできるほど車も人も少なく安全で、父と近所に釣りに行ったりして、のんびり長閑な雰囲気でした。それに比べて今の子供たちは都会の危険と隣り合わせの生活なうえ、毎日塾通いをして勉強に追われ、遊ぶ時間もないような生活になって気の毒な感じです。

‐中国の方は老後のことを考えていますか?

すごく意識していると思います。私達があまり考えないで自然の流れで生活しているのが珍しい方で…皆よく考えています。老後どういう生活ができるのか、大学生など若い世代でも非常に関心を持っています。現在の不動産バブルについても将来どうなるのか…考えても分からないことばかりですが考えてしまいます。

‐ちなみに、中国には年金制度があるのですか?

あります。私の母も祖母も年金生活をしています。老後といえば皆まず年金のことを何より気にしていて、働いた年数や職業によって決まる制度です。そんなに多くはないと思いますが、贅沢をしなければ普通に生活していけるレベルです。最も、こんなに少子高齢化が進んでいるので将来的なことは皆心配していて、今後は各自で考えていかなければならないと思います。私自身は老後に年金で暮らしていけるよう意識して働いていくような決まった道ではなく、自分なりの生き方を考えて自分の道を歩んでいくつもりです。

‐尊敬する人はいますか?

沢山います。特別な人でなくても自分の周りにいる人を見るたび、この人のここが立派だなとか、ここが凄いなとか、良いところを見るたびに尊敬します。でも、この人のようになりたいと目標にしている人はいません。私は私らしく、人の真似をするのでは無く、自分の個性を大事に思っているからです。

‐門さんから見て日本は今後どうなっていくと思いますか?

日本は皆が教育をとても大事にしている立派な国なので、今後もきっと良い方向に発展していくと期待しています。

‐最後に、同世代の日本人に対するメッセージをお願いします。

私は日本人の方たちと考え方がとても似ていて、自分が日本人化しているな~と感じることも多いのです。日本人と話したり一緒に過ごすことがとても自然で、日本人の生活習慣も自然に身についていて…中国人の友人に中国の感覚とは違うことを指摘されて不思議に思われたりする位なんです(笑)。中国は勿論、日本とも深く繋がっているだけに、日中関係が悪化したりすると本当に残念に思います。過去のことは過去のこと。起きてしまった歴史にこだわって、これからの関係を壊してしまうなんて勿体ないです。私自身は全く気にしていません。大事なことはこれからの将来ですから、表面化した悪い関係に扇動されることなく、皆が確かな情報をもとに自分で考えて、関係を大事にして行けることを願っています。