スーパーポジティブ 邊田令子さんに学ぶ(泉 優子)

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by BorderlessWorker.com 記者: 泉 優子

この春就職した新入社員で、「海外で働きたい」と思っているのは4割に対し、「働きたいと思わない」が6割だった(出典:産業能率大学)。この数字からもわかるように、ひと昔前の「海外に夢やロマンを求めるという時代」は、「日本で安定を求める時代」に変わりつつある。「海外で働きたくない」の理由については「語学力に自信がないから」「生活面で不安だから」と続く。

このネガティブな海外志向をスーパーポジティブに変えてくれる邊田令子さん(以下、令子さん)との対談。凛とした姿勢と人懐っこい笑顔が印象的だ。最初から語学ができたわけではなく、もちろん就職先が決まっていたわけでもない。カッコいい理由なんて何もなかった。「行っちゃおう!」そんな勢いから、「安定」していたエリート街道を自ら断ち切った。

その後、新しい環境を恐れずあれもこれもやってみたいという好奇心の塊に、楽天的な思考と度胸が加わり、さまざまな分野の仕事に挑戦することになる。もちろん多くの失敗や辛いこともあっただろうが、「失敗や成功はない。それは自分で決めているだけ」と失敗そのものを「必要なこと」として捉え、次に繋げていることに今日の成功の鍵があるのだろう。また、感謝を忘れないというご両親の教えを守り続けている真摯な姿勢にも魅力を感じた。

日本にいては味わうことのできない無数の体験こそが海外生活の醍醐味だ。一方で、海外生活が長くなると、日本文化や日本特有の情緒が恋しく、尊いものに感じることすらある。それは海外の日常において、日本文化や日本人への称賛を耳にする機会が多い為であり、日本人として誇らしいことである。そしてこれは海外に出て初めて直面することだが、日本に居る時以上に自分が「日本人」であることの認識が生まれる。移民である私たちがその国の人々と肩を並べて生きていくに必要なものは、語学力よりも、国籍や文化の違いを超えて心を通わせることができるコミュニケーション能力であり、これこそが生きる術そのものだ。

令子さんのスーパーポジティブな生き方が、語学力や安定を求めるあまり内向き志向になっている人たちの背中を少しでも前に押してくれることを願わずにはいられない。